一生一緒にNVIDIA

 

久々の投稿になりますが、ぼちぼち再開します。

最近、半導体があついので今日はその思いをつづります。

 

 

ゲームチェンジャー

 

きっかけは米国が2022年10月に発表した先端半導体の対中輸出規制だ。

 

米国はそれまでも中国へのハイテク機器輸出を色々と禁止してきたが、これに関してはレベルが違った。

 

まず輸出を禁止する品目に半導体半導体を製造するための装置を追加し、こうした製品全般の輸出を禁止した。

 

次に半導体製造・スパコン関連に使われると分かる(分からなくても分かると判断できそうな)製品の輸出も禁止した(エンドユース規制)。先の品目別の措置を逃れたものを今度は用途で縛ろうという考えだ。

 

さらに製品の製造過程で米国製の技術などが使われている場合、仮にこの製品が米国外で製造されたものだとしても輸出できないようにした(直接製品規制)。半導体の製造過程では業界トップの米国の技術がどこかしらで使われており、他国経由で製品が渡らないようにするためだ。

 

3つ目の措置からも分かる通り、これらは全て米国以外の国も対象となっている。半導体製造装置の市場で優位に立つ日本のメーカーが被った影響は計り知れない。

 

これらの規制の発表から1年が経過した昨年10月には、規制逃れを取り締まるための改訂がなされ、中国だけでなく中国に輸出する可能性のある「懸念国」への輸出も禁止されたほか、規制対象となる半導体の性能を評価する基準が厳格化された。

 

また、中国が半導体そのものを作れなくなるよう、米国は半導体製造装置市場で優位に立つ日本とオランダに提携を要請し、オランダは昨年9月から半導体製造装置に対する追加の輸出規制を施行、日本は昨年7月に先端半導体向けの製造装置などを輸出規制品目に追加した。

 

米国の輸出規制だけでも他国のメーカーに十分すぎる効力があるにもかかわらず、日本などに連携を要請してくる徹底ぶりだ。こうした動きの全ての元凶として、2022年10月の規制は半導体の対中輸出の在り方を一変させた「ゲームチェンジャー」だった。

 



一生一緒にNVIDIA

 

これらのえげつない規制の対象として筆頭格にあるのがNVIDIA(エヌビディア)だ。同社が作るGPUという種類の画像処理用半導体はAIを学習させるために最適とされ、各国の政府や企業が調達競争に明け暮れている。このGPU市場の8~9割を握っているとされるのがNVIDIAだ。

 

2018年ごろに1株50ドル前後だった株価はたった数年で10倍超に跳ね上がり、GAFAなどを含む米国の7大テック企業「マグニフィセント・セブン」の仲間入りを果たした。

 

昨年10月に先の規制が改訂された際には一時的に株価が大幅下落したが、中国向けに性能を落とした製品を発表するなどして株価は再び上昇に転じ、今年に入ってからはラスベガスで開かれた見本市でAI向けの新製品を発表し、株価は過去最高を更新した。

 

こうした力強い成長を続けるNVIDIAの株価を見た投資家の間では、いつからか「一生一緒にNVIDIA」というフレーズが囁かれることとなった。

 

吉兆か凶兆か

 

順調に成長するNVIDIAだが、直近再び不吉な知らせが入る。

 

 ロイター通信の15日の記事によると、中国の軍事機関や研究機関などが過去1年間にわたり、米国の対中輸出規制の対象となっているNVIDIA製の先端半導体GPU)を調達していたことが入札書類から判明したという。

 

この情報を米国が看過するとは思えず、近く何らかの対応が発表されることになるのは容易に想像がつく。

 

新たに規制が課され、昨年10月のように再び株価が下落すれば、購入のチャンスでもあるため、これはある意味では吉報かもしれない。

 

現時点でNVIDIAの株価は600ドル前後だが、先に触れた見本市での発表を受け、アナリストらによる目標株価はさらに引き上げられ600ドル以上となっているため、仮に一時的に下落したとしてもその後再び上昇していく余地は十分にあると思われる。

 

日本のメディアで米国の半導体輸出規制がどこまで大きく報じられるのかは分からないが、米国の次の一手が多くの投資家に希望と絶望の両方をもたらすことは間違いない。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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