Unsocial Hours

諜報員の日々のつぶやき

国連英検特A級に合格した話(記述編)

 

前回の投稿に続き、今回は国連英検特A級1次試験の記述対策について紹介したい。

unsocial-hours.hatenablog.com

 

 

前回の記事の中で私の対策は付け焼刃の対策だと述べたが、記述対策についてはそこそこ真剣に取り組んだので、前回紹介した対策よりは役に立つのではないかと思う。

 

 

前回紹介した通り、記述問題での得点目標は20点中18点を獲得することだ。実のところ、英検1級のWritingセクションで満点を獲得(プチ自慢です)して以来、自分の英作能力にはわずかながら自信を感じていたため、今回の試験でもやや高めに目標を設定した。

 

 

過去問の模範解答を見ると、書き方などもバラバラでどこか対策しづらい印象だが、今回の記事では私なりの分析と対策を紹介したいと思う。 

 

<目次> 

 

 

問題の傾向

 

まず対策を行う上で最も重要な毎回のお題の傾向についてだが、これはご親切にも公式HP上で過去のテーマが一覧形式で紹介されている。

国連英検 : 作文問題過去出題テーマ

 

 

これを見ると、毎回、各分野での国連の役割・活動が問われており、国連の活動を列挙すれば解答として成り立つようなものが多い

 

 

ただ、たまに例外的なお題もある。例えば以下がそうだ。

 

・Why is the work of the United Nations more relevant, effective, and urgent now than at any time in history?(2019年度第2回)

 

・How has Japan's nuclear crisis affected the future use of nuclear energy around the world?(2011年度第1回試験)

 

 

上の方の質問は自分で国連の活動分野を定義する必要があるが、ある分野での国連の活動とその意義を答えるという点ではそこまで他のお題と変わらない。下の質問はもはや国連知識とは関係していない異例のお題ともいえるが、これから分かることはその年にホットなテーマが出題される可能性があるということだ。それを裏付けるように、私が受けた2020年の回ではコロナ関連のお題が出た。これだけで毎年ホットなテーマが出題されていると結論づけるのは難しいが、少なくとも何かしらの一大イベントがあった年は、ある程度お題を予想することができるのは確かだろう。

 

 

全体の文章構成

 

ざっくりとお題の傾向がつかめたところで、次は記述時の文章構成についてみていきたい。

 

 

まず分量としては200~250語という目安が定められている。英検1級も同じ目安だったのでなんとなく分量のイメージはついていたが、不安な方はWordなどで実際に打って確認してみるといいかもしれない。

 

 

この分量であれば、基本的にはいわゆる「5パラグラフエッセイ」(導入・理由3点・結論)の形が一番準備しやすい。私もそうした。各パートでの文章数の目安としては、導入:1~2、理由:3~4ずつ、結論:1~2 といったところだろうか。

 

 

上述した通り、だいたいのお題では特定の分野での国連の活動を列挙すればおおむね解答として成立するので、この場合、理由3点の部分 ⇒ 国連の活動3つとして置き換えればOKだ。例えば、貧困撲滅について国連はどのような役割を果たしているか?というお題であれば、それに関する国連の活動を3つ挙げればよい。

 

 

国連の活動を列挙する上で少し悩ましいのは、一つの国連機関の活動を3つ挙げるべきか、あるいは異なる国連機関の活動を3つ挙げるべきか、という点だ。たとえば、人道支援分野では、UNICEF、WFP、OHCHR、UNHCRなど、該当する機関が多岐に及ぶ。しかし、やろうと思えばこれらいずれかの機関の活動を細分化し、列挙することもできる。これについては、お題にもよるが、基本的には別々の国連機関を挙げた方が楽だし、見栄え的にも国連知識の豊富さが垣間見えていいと思う。ただ分野がニッチでそもそも把握している国連機関の数が少ない場合などもあるので、その場合は一つを掘り下げるしかない。

 

 

全体の方針が決まったところで、これ以降はパートごとの書き方をもう少し詳しく説明する。ちなみに以降のパートでは個人的におすすめなテンプレ、フレーズ等を紹介していくが、これらの文章を考えるにあたってはネットなどで使用例があるかどうか一応検証しているものの、文法的に100%正しいかどうかは必ずしも保証できないため、その点は留意してほしい。

 

 

導入と結論

 

例えば、国連の活動を列挙するだけで事足りるお題の場合、いろいろネットやテキストなどで使えそうなフレーズを探して吟味したところ、私が主に使っていたテンプレは以下だ。

 

・複数の国連機関の活動を挙げる場合

(Since its early days,) The United Nations, since its inception, has been actively involved in promoting/protecting/achieving/improving/resolving 〇〇, focusing on/providing 理由①、理由②、理由③.

 

・国連機関1つの活動を掘り下げる場合

(Since its early days) The United Nations, since its inception, has been actively involved in promoting/protecting/achieving/improving/resolving 〇〇 through 国連機関, 国連機関の一言説明, focusing on/providing 理由①、理由②、理由③.

 

 

お題により多少の修正は必要だが、書き出しとしての汎用性はそれなりに高かった。Since~の部分は好きな方を使えばいいと思う。冒頭に持ってくる形式の方はテキストP.138の冒頭文章から拝借した。

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focusing on/providing~の部分は、理由3つの内容によっては短く列挙できない場合もあると思うので、その場合は1語でまとめるなり上手いアレンジが必要だ。この部分そのものを削除してしまうと、導入としてはどこか物足りない印象を受けるので、分子構文でも関係代名詞でもなんでもいいので何かしら書いた方がいいのではないかと思う。

 

 

個人的におすすめしないのは、導入部分で問題文の文章を繰り返すことだ。例えば以下のような形だ。

 

お題:How can the UN help countries ~ ?

 

解答:I will discuss how/some of the ways the UN help countries ~(以下お題と同じ) 

 

 

まず、問題文にある文章をそっくりそのまま繰り返すというのは記述力のなさを体現しているようなものなので個人的にはどうかと思う。また、「~についてエッセイを書いてください」と言われているのに、I will discuss~で始めるというところにも大きな違和感を覚える。

 

 

そもそもこの手のエッセイで「I」という主語を使うのはどうなのだろうか。英語で意見を述べるときには基本的に一人称の主語は登場しないのが自然で、実際に英語メディアなどを読んでいてもあまり登場していないと思う。そのため、たとえ導入・結論部分であっても使用しない方が自然だと私は思う。

 

 

ただどういうわけか、過去問の模範解答を見ると、多くが「I will discuss~」で始まっており、模範解答がそうしているなら正しいに決まっている!と考える人もいるかもしれない。ゆえに、この部分の考え方については受験者各人の判断に委ねる。

 

 

ただ個人的には、この過去問の模範解答の質に疑念を抱いている。この導入の書き方しかり、そもそもの文章構成もバラバラで、内容も決して論理的とはいえない文章も見受けられる。まるでその年の受験者の解答をまるごと載せたような、そんな印象さえある。少なくとも英検1級の過去問(もう捨ててしまった)はこのような書き出しではなかった気がするし、内容ももっと読者フレンドリーだった。まあそんなわけなので、ここは受験者各人が正しいと思う書き方をすればいいと思う。

 

 

これを踏まえて、結論部分も自分なりに納得のいく表現を模索してみた結果、以下が自分の使っていたテンプレになる。

 

Although these efforts are only a small part of the vast amount of the UN’s commitment to 〇〇, they underscore/indicate/show/reflect the importance/significance of their activities in the 〇〇の言い換え field.

 

 

こちらもお題により多少の修正は必要かもしれないが、基本的にはどのお題に関しても国連の活動を全て紹介できるわけではないため、だいたいのお題をこのフレーズで締めくくることができた。In conclusionなどのお決まりのフレーズを使う必要もない。後半の文章は they do~、certainly、surely、などで強調してもいかもしれない。

 

 

ちなみに、国連英検のお題的に導入部分ではできなかったが、意見が分かれるようなお題の場合、導入・結論パートは逆説から始めるというのが個人的に普段用いているテクニックだ。こうすることにより文字数を稼げるし、議論が分かれる問題で一方的に断言する不自然さをなくせる。例えば、お題で「国連は〇〇に対処する上で最適な機関か?」という問いかけが出されたとするなら、「While/Although/Whereas there have been some questions and concerns raised by a number of counrties regarding the UN's responce to 〇〇, the global agency(the UN), since its early days, has been~」のような形で書けるというわけだ。なので導入部分でも隙あらば使えるよう意識していた。

 

 

導入と結論はだいたいこんな感じだ。次にボディパラグラフの書き方を説明する。

 

 

ボディパラグラフ

 

記述を行う上で最も重要となるのがこのボディパラグラフだが、国連機関の活動を列挙するだけなら以下3点を3~4文でシンプルにまとめるだけでよい。

 

・国連機関〇〇は~の支援を行っている

・具体的な状況、支援内容

・(上記により)お題の分野では~な貢献・役割をしている

 

 

具体例を示すと以下のような感じだ。

 

・As one of the biggest UN humanitarian agencies, UNHCR protects human rights of worldwide refugees.

・The agency provides critical emergency assistance to refugees in war-torn countries in the form of clean water, healthcare, and other assistance packages that are needed to give them enough access to safety and asylum.

・These supports not only help protect refugees’ human rights but also prevents them from falling into the hands of terrorism.

 

 

これと同じような容量で活動を3つ挙げられればOKだ。ここまでくると、あとは各分野について該当する国連機関の打線を組むだけだ。出題されやすそうな分野から順に、記述の際に自らが起用する国連機関のラインナップを用意するのだ。参考までに自分がラインナップを考える上で優秀だった国連機関を以下に紹介したい。

 

UNICEF

人道支援、人権、保健、テロ、教育、民主主義の普及、貧困撲滅等、とにかく支援の幅が広い。

 

・WFP

→食糧危機、貧困撲滅、人道支援、人権、保健、気候変動など同じく支援の幅が広い。昨年ノーベル平和賞を受賞したことも印象深い。

 

・UNSC

→テロ、制裁などの政治問題をはじめ、その他ありとあらゆる違反に対して拘束力を伴う制裁の発動権を持つ主要6機関のうちの1つ。政治系の話題ならほぼ全て違和感なく対応できるのではないだろうか。

 

・ECOSOC

→経済、環境、社会、人権、教育、保健、ジェンダー、福祉等、ありとあらゆる経済・社会問題を担当する主要6機関のうちの1つ。カバー範囲が広すぎて、どこか逃げているような感覚にすら陥るので個人的にはあまり使いたくない奥の手といったところ。

 

 

正直、下2つの主要6機関については、特定の分野を担当している機関というよりは取りまとめを行っているトップ機関のため、本当に何も出てこないときの最終手段のような存在だ。

 

 

これらのラインナップ組みを徹底していれば、どんな話題がきても少なくとも何も書くことがない、というような状況は避けれるのではないかと思う。私の場合は、各分野ごとにラインナップを組み、回答内容をワードにまとめた。情報を集める上では、それぞれの国連機関の公式HPとウィキペディアで十分だ。それぞれ英語版を確認すれば、記述にそのまま使えそうなフレーズであふれているので、それらを組み合わせて自らの解答を作成した。

 

 

これらの解答を作成し始めて気づいたのは、ほとんどの国連機関は分野が違うだけで活動内容に大きな差はないということだ。多くの国連機関が共通のサービスとして、政策提言(policy advice)、技術援助(technical assistance)、専門的情報(technical information)を提供(provide/deliver/give)しており、国際的な対応(international response)を指揮・調整(lead/coordinate)している。そのため、活動している国連機関は分かるものの、具体的な支援内容が思い出せない、あるいは把握していないというような状況に陥った場合は、これらのいずれかを適当に書いておくだけでもそれっぽい感じになるだろう。

 

 

 

個人的おすすめフレーズ

 

ここからは個人的に使用する頻度の多かった便利フレーズを参考までに紹介したい。

 

 

・〜, a UN agency  for / responsible for / dedicated to ~, 〜

 

国連機関の活動を列挙する場合、とにかくそれぞれの国連機関の説明が必要になる。とりあえず何か国連機関の名前を出したら、その直後にその機関についての一言説明を入れておくと文字数稼ぎにもちょうどよい。「a UN agency」の部分は、UN entity、 UN-related organization、UN specialised agencyなど、言い換え表現を多く把握しておくと汎用性がさらに広がる。

 

 

・Acting / Serving as an international forum for ~, 

 

ボディパラグラフの冒頭などで使用した。Asから始めてもいいかもしれない。各文章をスムーズにつなげる表現を模索するなかで下手な接続詞よりはよっぽど役立った。だいたいの国連機関はその分野での 「international forum」なので汎用性も高い。この部分は他の表現に変えても十分機能する。

 

 

・~, focusing on ~

 

何らかの具体的な事実を紹介した後に付け加えたり、あるいは導入部分でボディパラグラフの内容を総括する際に用いた。隠れた立役者。

 

 

・in the form of ~

個人的なお気に入りフレーズ。どこかの国連機関HPから拝借した。先の例文でも使用したが、人道支援系のサービスなど、複数のサービスを列挙する上で、includingやsuch asなどよりもどこかフォーマルで使いたくなってしまう。

 

 

解答例

 

ここまで長々と説明してきたが、解答例がないとどこかイメージもつかみにくいと思うので、参考までに私が対策時に用意した解答一式を以下にそのまま掲載したい。所詮は純ジャパが作成した文章なので文法上のミスや不自然な部分もあるかもしれないが、恥を忍んで公表する。何かしらの役に立てば幸いだ。字数がオーバーしているのと、国連機関1つを掘り下げるパターンで書いている点はご容赦いただきたい(全文丸々用意したのはこれしかなかった)。私が受験した際はコロナ関連のテーマになる可能性が高かったので、お題は国連の保健対応についてだ。ちなみにこの記述だけは丸暗記して本番に臨んだ。実際のテーマはこれとは少し異なったが、解答を行う上で役立ったことは間違いない。

 

 

Q. What efforts is the United Nations making to promote international health protection?

 

Since its early days, the United Nations has been actively involved in protecting global health through the World Health Organization (WHO), one of its specialized agencies for international public health, focusing on providing health instructions, technical assistance, and emergency supports.


As one of the world's biggest intergovernmental entity, the WHO has set extensive international guidelines for addressing a wide variety of diseases across the world. Emerging diseases kill more than 17 million people a year, and the health situation in each country varies by its population size and local cultural elements. The WHO’s guidelines set out common standards and norms on which every country can rely in the rapidly changing health situations worldwide.


In collaboration with an international network of experts, the WHO also provides technical supports and trainings for local health organizations. According to a report released by the World Bank, at least half of the world’s population cannot obtain access to essential health services due to lack of effective medical facilities and trained medical practitioners. The WHO’s professional technical assistance for health control serve as a strong pillar for those who seek to enhance their medical capability.


Finally, the WHO has played a significant role in supporting its member states to respond to public health emergency. As seen in the current health crisis caused by the new coronavirus, the WHO has led the international cooperation to contain the spread of the deadly virus while keeping its efforts to stem other serious infection diseases in developing countries. With those viruses still rampant in the world, the emergency responses led by WHO will be more essential in wider areas.


Although these efforts are only a small part of the vast amount of the UN’s commitment to global health protection, they do underscore the importance of their activities in the health field.(301語)

 

 

次回は2次面接の様子を紹介するので、時間があればまた目を通してもらえると嬉しい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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