あんそーしゃる

世界の動きと日常

「菅首相はコミュ力不足」―英紙

 

週末が明けて早速、英紙フィナンシャル・タイムズ菅首相の辞任発表に関する社説を掲載していたので、内容を簡単にまとめてみた。Financial Times

 

発表直後の速報でも否定的な見方を示していたが、案の定、かなり厳しい評価となっている。

菅首相辞任への海外主要紙の反応速報 - Unsocial Hours

 

タイトルは「日本には異なる種類の指導者が必要」、副題は「次期首相にはコミュニケーションスキルと説得力のある政策が求められる」。

 

「今の日本はやや昔を彷彿とさせている。わずか1年で菅氏が辞任を決めたことは、8年近く続いた安倍前政権が発足する前の日々を想起させる。当時の日本では6年間に6人の首相が就任した。(中略)総裁選が迫る中、自民党、そして日本には異なる種類の指導者が必要だ」

 

「菅氏はある意味、不運だった。菅氏は粗末なコロナ対策を行ったと認識されているが、日本の死者数は累計でも人口比でもG7諸国の中で最も少ない。しかし、相次ぐ感染の波に応じる上では対応が遅いと見なされた」

 

「英国など、高い死者数が記録された一部の国々の指導者は、迅速なワクチン接種で自らの運命を救ったが、日本はその逆だ。人口のほぼ3分の1が65歳を超える国で、初期のワクチン接種のペースが異様に遅かったのは特に問題だ。おそらく最も重要なのは、カリスマ性のない菅氏に、苦しむ国民への共感を示すためのコミュニケーションスキルが欠けていたことだ

 

「もちろん菅氏は、安部氏の残した課題を引き継げる経験豊富な影の仕事人として選ばれ、権力を握る自民党の各派閥にも受け入れられた。しかし、菅氏には独自の際立った政策や独立した政治基盤が欠けていた。携帯電話料金の引き下げは国民の心を捉えるまでには至らなかった」

 

「安部氏の後任として菅氏を権力の座に据えた昨年のプロセスにも欠陥があった。将来について健全で開かれた議論を行う余地がなかったからだ。前政権の後継候補として選ばれた菅氏が日本の直面している課題の規模に真に向き合うことは1度もなかった

 

 

安倍前総理が昨年辞任した際の反応と比べると、その酷評のされ方が際立っている印象。

総理辞任への海外の反応が地味に熱い - Unsocial Hours

総理辞任への海外の反応が地味に熱い② - Unsocial Hours

 

一国の総理大臣が海外から「コミュ力不足」を指摘されるというのも、まるで新入社員のようで滑稽に見える。

 

ましてや前職は官房長官を務め、政府を代表する立場で毎日記者会見を行い、報道陣とコミュニケーションを図っていただけに、FTの指摘は何とも皮肉に感じられる。

 

首相としての菅さんを評価する際に、官房長官時代の活躍ぶりが比較対象にされるケースをたまに目にするが、官房長官としてのコミュニケーションの在り方と首相としてのコミュニケーションの在り方は正反対だと思う。

 

ちょっと前、テレビのコメンテーターとしてもおなじみの岸博幸内閣官房参与が菅さんに対し、「国民相手にかみ合わない答弁をするのはNG(国会答弁ではOK)」という内容のダメ出しを行ったことが話題になったが、本当にこれに尽きると思う。

岸博幸氏 菅首相に「ダメっすよ」とダメ出し 記者会見でかみ合わない答弁に(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

この発言に対しては、「国会答弁でもNG」「これを首相の補佐官が公言するのはおかしい」として、むしろ岸氏に対して批判が集まる結果となったが、指摘の内容は的確だ。

 

菅氏の前職の官房長官という役職は、毎日記者から投げかけられるきわどい質問をいかにしてかいくぐるかというのが何より重要だった。原稿に書かれた内容以上のことは決して話してはならず、かみ合わない回答は記者の質問を避ける上での常套手段だ。その官房長官という役職を歴代最長の期間務めた菅氏に対し、原稿を読み上げるな、自分の言葉で話せ、と求めるのはいささか酷な気もする。

 

FTの指摘の通り、急きょ負傷した安倍氏の「代打」として抜擢され、コロナ禍での五輪開催という安倍氏最大の課題の遂行を託された菅氏本人がおそらく最も「不運」だったのかもしれない。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

記事を気に入っていただけたら、励みになりますので、以下のバナーもクリックいただけると大変嬉しいです。(サイドバーにも貼ってあります)


海外ニュースランキング

 

Twitterもやってますので、よければこちらもどうぞ ↓↓

かるな (@unsocial_hours) | Twitter

f:id:Unsocial_Hours:20210906182423j:image