Unsocial Hours

諜報員の日々のつぶやき

テドロスはお気楽な立場だよ

 

お疲れ様です、かるなです。

 

 

 

最近、米国内での中国叩きが以前にも増して激しい。

 

 

 

1日のワシントンポストは社説で、中国のコロナ関連の情報操作を批判しつつ、中国による欧州への圧力が強まっている事実を指摘した。

https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/china-has-turned-to-bullying-to-avoid-accountability-it-may-be-working-on-europe/2020/04/30/30be39c2-8977-11ea-9dfd-990f9dcc71fc_story.html

 

 

 

 

発端となったのは、先週、EUの中の外交専門機関・欧州対外行動局(European External Action Service, EEAS)が中国・ロシアによるコロナ関連のプロパガンダ・情報操作を指摘する報告書を発表したこと。これを受け、中国政府からは抗議の声が上がっていた。

EEAS SPECIAL REPORT UPDATE: Short Assessment of Narratives and Disinformation around the COVID-19/Coronavirus Pandemic (Updated 2 – 22 April) - EU vs DISINFORMATION

 

 

 

当初、公表される前の報告書には「中国は、パンデミックの拡大に対する非難の矛先をそらし、自国の国際社会でのイメージを高めるため、偽情報の拡大を世界中で続けている」と記載されていた。

 

 

 

しかし、これについてニューヨークタイムズが報じたところでは、報告書の内容を知った中国側からの抗議を受け、ジョセップ・ボレル(Josep Borrell)EU外務・安全保障政策上級代表がEEASに対し、中国・ロシアへの言及を少なくするよう命令

Pressured by China, E.U. Softens Report on Covid-19 Disinformation - The New York Times

 

 

 

そして実際に報告書が発表された際には、中国に関する言及が少なくなり、中国による「世界的な偽情報の拡大活動」という記載が削除されていた。

 

 

 

 

また英フィナンシャルタイムズによれば、1人の中国外務省高官は北京のEU大使に対し「EUが米国に習って中国を公に攻撃するようなことがあれば、米国と同じように反撃を食らうぞ」と脅迫したらしい。

 

 

 

 

その後のEEASの広報担当者による説明では、中国の活動について「誤解」があり、もともとは、公表した報告書と「内部向け資料」の2つの報告書が存在したと弁明した。

 

 

 

仮に本当に2つの報告書が用意されていたとして、なぜ中国に譲歩した報告書まで用意する必要があったのか。

 

 

 

さらに、別途メディアにリークされた内部メールによると、あるEU側の担当者が報告書の中で「中国共産党に便宜を図っている」として自らの上司を糾弾するやりとりが明らかになっている。

 

 

 

これら一連の情報を受け、ワシントンポストEU側の対応は「異例」であるとし、中国への宥和をやめるよう呼びかけた。

 

 

 

 

 

 

この社説を読んでから問題の報告書をみてみたところ、たしかに「忖度」とも捉えられる記載がいくつかあった。例えば以下の記述。

 

 

 

「EEASは、異なる偽情報の拡散や、情報操作・事実の歪曲などの事例を複数確認した。公衆衛生に重大な影響を及ぼす可能性があるにもかかわらず、ロシアや中国(より少ない度合いで)など、いくつかの政府が発信する情報がEUや周辺国の一般市民を標的として、陰謀説などの偽情報を幅広く拡散し続けている」

 

 

 

この「より少ない度合いで」という文言は入れる必要があったのだろうか。ワシントンポストの社説を読んでから見ると、なおさら後から挿入したようにも見えてしまう。

 

 

 

上記の記載を裏付けるような形で以下のような記述もあった。

 

 

 

「親ロシア派・ロシア国営メディアがEUによる危機対応を損なわせ、またコロナウイルスの起源・保健上の示唆について混乱をもたらす目的で組織的活動を行っている事実が確認された.....またパンデミックの拡大に関する非難の矛先をそらす目的で中国政府が発信している情報が組織的反発行為を行っている証拠も確認されている。これらの中国政府発信の情報は、中国との間の二国間支援に関する発表・配信も行っており、一部の国の世論調査では、パンデミックとの闘いにおいて中国がEUよりも貢献していると認識されていることが示されている」

 

 

 

報告書全体を通して読んでみても、中国に対して批判的に書かれている箇所はかなり限定的な印象。

 

 

 

たしかにこれでは米国世論から弱腰と非難されてもおかしくはないかもしれない。

 

 

 

 

今回のワシントンポストの社説に限らず、最近、米国の政府関係者も中国への対抗姿勢を強めている。

 

 

 

28日には、マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官がウォールストリートジャーナルに寄稿し、医薬品の中国への依存度を安全保障の観点から減らすよう訴えた。

Relying on Foreign Drugs Is Dangerous - WSJ

 

 

 

また30日には、ニッキー・ヘイリー元米国連大使ワシントンポストに寄稿し、コロナ以外の中国の脅威として、南シナ海での軍事活動、香港への抑圧、核開発などの違反行為を指摘した。

https://www.washingtonpost.com/opinions/nikki-haley-chinas-coronavirus-actions-are-just-one-of-many-threats-it-poses/2020/04/29/f5eab07a-8a3c-11ea-ac8a-fe9b8088e101_story.html

 

 

 

そして米国の政策決定権を握るトランプは、コロナの発生源を武漢の研究所だとほぼほぼ断定し、制裁や賠償金を科すと宣言している。

米政権 “中国に制裁や賠償金請求を検討” 新型コロナで米報道 | NHKニュース

 

 

 

 

個人的に以外だったのが、少なくともコロナの発生源についてはいまだに確証がない(少なくとも一般的には)なかで、トランプが中国への制裁に乗り出したことについて、米メディアが同調したこと。

 

 

 

トランプがまた根拠もない主張に基づき、米中関係を停滞させる、的な論調になるかと思いきや、主要紙は完全に後押しする形になっている。

 

 

 

感染拡大の初期の頃は、日本でも中国を責める論調が今よりさらに強かった印象があるものの、現時点では個人レベルではそこまで感じられない(むしろ安倍政権への批判が多い印象)

 

 

 

一方の米国は世界で最も大きなコロナ被害を受けていることから、おそらく政府レベルだけでなく、国民レベルにおいても中国に何らかの責任を取らせる意識が強まっているのかもしれない。

 

 

 

トランプ含む米国が中国批判の論調を強め、武漢研究所でのコロナ発祥説を信奉するなか、「中国の宣伝機関」とも揶揄されるWHOは昨日の会見で「コロナの起源は自然発生」との見解を改めて示した。

https://www.aa.com.tr/en/health/coronavirus-is-natural-in-origin-who/1826213

 

 

 

テドロス事務局長はたびたびトランプの「武漢研究所 発祥説」へのコメントを求められるも、これまでコメントは避け、昨日の会見でも自身ではなく別の専門家からコメントさせていた。

 

 

 

先日は、もはや恒例となった意味深一言ツイートで、「助産師」と意味不明のツイートをしていたテドロス氏。

 テドロスの病みツイートが秀逸な件 - Unsocial Hours

 

 

 

大阪の吉村府知事ではないが、米中の亀裂をよそに「お気楽な立場だよ」と言いたくなる。

 

 

 

このまま米国世論がトランプの対中姿勢を後押しするのであれば、今度は貿易ではなく、マスクや治療薬などの医療物資をめぐる制裁合戦が始まる可能性が現実味を帯びてきた。

 

 

 

つい先日まではファーウェイの5G機器を使用するなと同盟国に呼びかけていたトランプ政権だが、このまま行けば中国製のワクチン・マスクは使用するなと日本を含む同盟国に呼びかけ始める可能性は高い。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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