Unsocial Hours

諜報員の日々のつぶやき

テドロス事務局長、ワシントンポストで世界に懇願

 

お疲れ様です、かるなです。

 

 

WHOのテドロス事務局長とマーク・ローコック人道問題担当国連事務次長が昨日、米ワシントンポスト紙に寄稿を投稿した。タイトルは「コロナにもそれに対する人類の対応にも国境という境は存在しない」"Covid-19 knows no borders. Our response shouldn't, either"

https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/wealthy-nations-pandemic-fight-doesnt-stop-at-their-borders/2020/03/24/94afdae8-6e0c-11ea-b148-e4ce3fbd85b5_story.html

 

 

 

両者は寄稿を通じて、昨日24日に国連が加盟国に要求した、紛争地域の住民や難民に対する20億ドル(約2200億円)のコロナ対策人道支援を支持してほしいと世界各国に訴えた。

国連総長「即時に停戦を」 コロナ拡大で呼びかけ (写真=ロイター) :日本経済新聞

 

 

 

コロナウイルスは今や紛争地域の人々の元にも及んでいる。これらの地域の人々は容易に石鹸で手を洗うこともできなければ、綺麗な水を飲むこともできない。そして仮にコロナに感染し深刻な状態に陥ったとしても、入院することさえ叶わない

 

 

 

「盤石な医療体制を持つ国々でさえコロナウイルスの圧力の前に屈するというのであれば、紛争、自然災害、気候変動などの深刻な人道危機に晒されている国ではどうなるのか、想像してみてほしい。ウイルスがこれらの国々に広まるのを許せば、数百万人の命が脅かされ、地域全体が混乱に陥る恐れがある。そうなれば、ウイルスは再び世界全体を襲うことになるだろう」

 

 

 

「現在、国内のパンデミックと闘っている国々は、当然の如く国内の自国民を優先的に扱っている。しかし、それらの国々が貧困国を守ろうとしなければ、結果として自国民も守れないという厳しい現実が存在する」

 

 

 

「国連による支援プランは、ウイルス検査に必要な研究設備や人々の治療のための医療機器など、必要不可欠な備品の供給を行う。また、難民キャンプへの手洗い所の設置や、アフリカ・アジア・中南米地域の各地に空路や活動拠点を設け、人道支援者や供給物資が最も必要とされている場所に届くようにする。さらに安全維持や人々の保護の仕方に関する公の情報発信にも取り組む」

 

 

 

「これらを踏まえ、各国政府に2つのお願いをしたい。1つ目は、この国連の人道支援プランを固く支援してほしい。このプランは、正式な資金援助があって初めて機能する」

 

 

 

2つ目は、現在既に国連が行っている人道支援プランへの資金援助を継続してほしい。既存の支援プランからコロナウイルス対策へと支援資金が移されれば、コレラなどの病気が蔓延しかねず、そうなればより多くの子どもたちが栄養失調に陥り、また過激主義者の台頭を許す環境を生むことになる。コロナウイルスの温床を広げることにもつながりかねない」

 

 

 

「世界中の人々がウイルスのパンデミックがいつまで続くのかを知りたがっているが、本当のところ、われわれにもまだ分からないパンデミックはまだその初期段階にある。しかし、われわれが確証をもって言えることは、パンデミックが今後どのような道を辿るかは、各国、地域社会、そして各個人が今後どのような行動を取るかに委ねられているということだ」

 

 

 

「時間を要し、結束や協調も必要になるが、ウイルスを撃退することは可能だ。このウイルスとの闘いにおいて、中途半端なやり方は許されない。コロナウイルスは人類全体を脅かしている。であれば、人類全体でウイルスへの反撃を行うしかない」

 

 

 

 

 

 

まさに世界全体の状況を憂慮すべきWHOの事務局長ならではのメッセージといったところだが、足元、自国のみの対応で手一杯の国には一体どの程度響くのだろうか。

 

 

 

そもそも自国経済への影響から対策費の拠出を渋っているような国にとっては、まさに耳が痛い話のようにも思える。しかし、ご指摘はごもっともだ。

 

 

 

現在、日本のメディアの報道を見ていても米国や欧州などの被害拡大状況は報じられていても、中東やアフリカ、中南米の状況はあまり報じられてない印象。それゆえに、現時点で日本人含む先進国の人々がどの程度これらの地域を気にかけている、あるいは気にかける余裕があるのかは不透明なのが現実だ。

 

 

 

実際のところ、直近1週間で、アフリカ・中南米では爆発的に感染者が増えている。欧米での数の爆発とは異なり、毎日のように新たな国で初の感染者が報告されている。しかもこれらの国々では、国境封鎖、都市のロックダウン、航空便の全面規制、時間指定した外出禁止令など、ありとあらゆる手が尽くされていてなお、感染が止まらない。

 

 

 

先日ついにシリア難民にも感染者が出たと聞いたときは、いよいよだなと思った。コロナのせいであまりというかほとんど報じられていないが、シリアではロシアとトルコが停戦を結んでいたイドリブという地域で戦火が止まず、大量のシリア難民が戦火を逃れるためにトルコ海岸に押し寄せ、毎日のように法を破りギリシャに向かって海を渡っている。ちなみに移民はダイヤモンドプリンセスみたいな豪華客船ではなく小舟に数十人が山積みになって日本から韓国くらいの距離をボートで渡る。一方で移民を受け入れたくないギリシャは到着した難民に向かって催涙ガスを発砲しトルコに追い返しているため(そして結局トルコが難民を引き受けるため)、トルコがギリシャの対応に激怒し、EUとの協議を要請して惨状を訴えかけるもEUに塩対応され、たまらずトルコ外相が3日前くらいのFTに「コロナも大変だけどこっちもやばいから注目してくれ」という内容の寄稿を投稿していた。このような中でシリア難民にコロナが見つかったのだ。まさにカオスだ。

 

 

 

 

 

日本では昨日東京都で新たに40人の感染が確認され、小池都知事が今週末の外出を自粛するよう呼び掛けて速報が飛び交ったが、上記の国々の状況と比べればお遊びのようなレベルの低さだ。

 

 

 

もちろんそれは日本の被害がまだ相対的に少ないからという以外に他ならない。イタリア、スペイン、ドイツなどでは感染者が一日に数千人増えるなんてことはここ数週間ざらにあり、死者も一日で数百人単位で増えている。そんな中、感染者が40人出たなんていうのは可愛いものだ。

 

 

 

何なら日本では昨日に至るまで、コロナもピークを迎えたような雰囲気があり、休校などの解除もささやかれ始めていたが、それについてもワシントンポスト紙は批判的な記事を掲載している。

https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japans-social-distancing-is-shrinking-as-coronavirus-fears-ease-too-soon/2020/03/24/7c816cee-6d0c-11ea-a156-0048b62cdb51_story.html

 

 

 

紙面上の記事のタイトルは、「日本は社会から距離を置く措置から距離を置いた」

 

 

 

先日埼玉スーパーアリーナで行われたK-1の試合など、いまだ日本の人々が大規模なイベントを控えない様子などが紹介された上で、

 

 

 

「東京都では、多くの専門家が長きにわたり警告していたことがまさに証明された。人々は数週間程度であれば社会的に距離を置くことにも耐えられるが、最終的には室内にこもるのに飽き、ほんの些細な吉報を口実に再び外へと飛び出して行ってしまうということだ

 

 

 

「この日本の事例により、新型コロナ対策で欧州や米国で人々が数カ月間も社会から距離を置くことができるという見方は難しくなった」

 

 

 

昨日は和歌山を絶賛したかと思えば、今度はこの叩きようだ。良いところは褒め、悪いところは晒す、中立・公平で新聞社の鑑のような報じ方だ。まあしかし、現状の日本対応は上記の国々の対応と比べれば、なめくさっている以外のなんでもない。ワシントンポストが嘆く理由もわかる。

日本の和歌山、世界から絶賛される - Unsocial Hours

 

 

 

 

元々の寄稿に話を戻すと、ただでさえコロナ対応で後手を踏んでるように取られがちで、かつ中国寄りと批判されているテドロスさんが、今度は紛争地域やアフリカの貧困国も気にかけてくださいよ、なんていう寄稿をしたら、日本を含む先進国がこの様なのに、自分とこの出身国(エチオピア)地域に感染が出始めたら対応が早いな!みたいな心無い批判が寄せられるんじゃないかと思うとなんとなく心がそわそわする。

 

 

 

まあ実際は先進国がこの様だから貧困国だともっとやばいんでほんとにお願いしますっていうことなのだが、なかなか先進国にも余裕がないため、難しいところだろう。

 

 

 

そういえばツイッターのタイムラインでテドロスさんの辞任を求める署名が50万人を超えた、というリツイートを目にしたが、なんとなくやり場のない怒りがテドロスさんに向かっている気がして気の毒な気もする。このおっちゃん前にちょっと調べたら、わりとすごい実績ある人でやっぱりなるべく人がなっているんだなあと地味に関心したのを覚えている。

 

 

 

こんな未知のウイルスに対して、うまく立ち回れるほうが逆にすごいと個人的には思う一方で、うまく立ち回ってくれなきゃ困るという意見も痛いほどわかるため、なかなかにやるせない。

 

 

 

収束する気配が見えないなか、今後のWHO、日本政府の対応が厳しくなり、在宅ワークがマストになることを個人的には期待しています。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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