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米中冷戦の夜明け

 

お疲れ様です、かるなです。

 

 

 

新型コロナをよそに、ついに米中間で「米中冷戦」という言葉が飛び交うようになった。

 

 

 

新型コロナが連日報じられるなか、どの程度世間に認識されているかは定かでないが、先日勃発したメディアをめぐる米中間の対立がいまだ収束していない。

 

 

 

そんな中、ついに米中双方の当事者が「米中冷戦」という言葉を持ち出し始めたのだ。

 

 

 

<目次>

 

 

 

時系列のおさらい

 

これまでの流れを軽くおさらいすると、

 

 

 

◆2/18: 米国

・中国メディア5社を「外国の宣伝機関」に認定(対象は、国営新華社通信、中国国際テレビ(CGTN)、中国国際放送(CRI)、英字紙チャイナ・デーリー、米国海天発展) 米政府、新華社など中国メディア5社を「外国の宣伝機関」と認定 - Bloomberg

 

・上記5社に、保有資産の届け出や新規物件取得前の事前認可などを義務付け

 

 

 

◆2/19: 中国

・中国で活動する米ウォールストリート・ジャーナル紙の記者3人の記者証を取消、国外追放を命令  中国政府、3人の記者証を取り消し-WSJが論説巡り謝罪拒否と主張 - Bloomberg

 

・この措置の理由として、WSJ中国に対して差別的なコラムを掲載したと主張(2/18の米国側の措置には触れず)

(対象となったコラムの内容はこちら → アジアの病人 - Unsocial Hours

 

 

 

◆3/2: 米国

米国内で活動する中国メディア(上記5社)の記者数に制限を設け、160人 → 100人へ記者数を制限(13日から適用)

米、中国メディア5社の記者数に上限 新華社など対象 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 

 

 

その後、3/17に至るまで米中間で、

 

・「米軍が武漢にコロナを持ち込んだ」中国「米軍が武漢にコロナを持ち込んだ」 - Unsocial Hours

 

・「中国は米国にコロナ拡大について謝罪しろ」米TV「中国はコロナの責任とって謝れ」 - Unsocial Hours

 

・「中国・武漢ウイルス」   

 

などの呼称問題、ウイルス発生源問題をめぐる論争が発生。

 

 

 

◆3/17: 中国 (イマココ)

WSJ、米ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)、米ワシントン・ポスト紙(WP)の3社の記者証の返還を求めると発表

 

・上記3紙に加え、海外向け放送のボイス・オブ・アメリカVOA)とタイム誌を加えた米メディア5社の中国支局に対し、従業員名簿や財務情報などの提出を義務付け

 

 

 

 

米国メディアの反応

 

直近の中国側からの制裁を受け、米主要3紙はそれぞれ怒りを露わにした。

 

 

 

◆ウォールストリート・ジャーナル

 

・自らのコラムを理由に記者3人への追放を命じられることになった、同紙のコラムニスト、ミード教授が17日、「中国のコロナウイルス」(原文)という文言をタイトルに含むコラムを掲載。

【オピニオン】コロナ禍を利用する中国の深謀 - WSJ

 

 

・またミード氏は19日付同紙に、「中国は新たな冷戦エスカレートさせている」と題するコラムを投稿 ―「強く自信に満ちた政府なら、外国記者や知識人からの批判など恐れるはずがない、中国共産党はひどく怖気づいているby Walter Russell Mead

Beijing Escalates the New Cold War - WSJ

 

 

 

前にWSJは、中国政府に反論する社説で、コラムニストは記事のタイトルに関与していない、決めているのは編集部、コラムニストは関係ないとか言っていたが、ここまでミード氏を多用して中国を批判している時点で、確実にミード側も加担しているだろ、と個人的には思う。笑

 

 

 

ワシントン・ポスト

 

・18日紙面に社説を掲載、中国側の対応はハラスメントで、米国の対応と釣り合っていないと批判。

 

 

・17日に中国側の新型コロナ対応を評価する記事を掲載していたにもかかわらず制裁の対象に選ばれたことから、「公平で信頼できる」報道を行う同紙を追放することにメリットはないと反発。

https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/china-dangerously-expels-more-us-journalists-as-the-world-seeks-credible-coronavirus-reporting/2020/03/17/899e6952-687c-11ea-b313-df458622c2cc_story.html

 

 

 

ニューヨーク・タイムズ

 

・17日付で社説を掲載、その中で米中間の報復措置の応酬は「冷戦時代のソ連との衝突を想起させる」と指摘 ― 「米国メディアは、米国について報道するときと同様のやり方で、公平誠実に中国について報道しており、ソ連や中国の指導者は、その事実を故意に否定し、国民を誤った方向に導いている」by New York Times

 

 

・独立した報道組織の記者を、彼らに関係のない政府間論争を理由に追放することは不当であり、現在のような危機的状態の中では、非生産的な行為であると批判。

 

 

 

 

3紙ともに中国側の制裁は、米国側の措置に見合っておらず、しかもなんで関係ないおれたちを巻き込むの?という姿勢は共通している。

 

 

 

そして2紙が「冷戦」という言葉を用いて今回の米中間の衝突を表現した。

 

 

 

中国外務省の反応

 

これらの措置に伴い、中国外務省の定例記者会見でも記者から質問が殺到した。回答に応じたのは耿爽・副報道局長。

https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1757799.shtml

 

 

 

記者「中国政府は、どのような基準で制裁対象のメディアを選んだのでしょうか?また、今回の報復措置が米中関係に及ぼす影響についてどのようにお考えでしょうか?」

 

 

 

耿爽「米国内の中国メディアが苦しんでいる不当な政治的抑圧により、今回の対抗措置の実施を迫られた。もし米メディアが一連の措置に問題を感じるなら、米政府に提起すべきだ。

 

 

イデオロギー上の偏見、冷戦ゼロサム的な見方を持つのやめ、両国間の信頼や協力の改善に向けた行動を取るべきだ。

 

 

問題を起こす気はないが、もし問題が生じるというのであれば、逃げはしない。中国メディアに対する抑圧を直ちにやめるよう米国に勧告する。でなければ米国はさらなる被害を被ることになる

 

 

 

記者「仮に米国がさらなる措置を取れば、中国もさらなる対抗措置を講じる構えがあるということでしょうか?」

 

 

 

耿爽「中国側の立場は非常に明確だ。米国側に対し、行動を改め、過ちを正し、中国メディアへの政治的抑圧や恣意的な規制を取りやめるよう勧告する。米国がさらに誤った道を進むというのであれば、中国はさらなる対抗措置を取る可能性がある。

 

 

米国は、あらゆる選択肢の用意ができていると述べているようだが、それは中国も同じであると本日、お伝えしたい」

 

 

 

 

 

 

こうやって見返すと冷戦的な見方をしている(また実際にそう発言しているのも)のは米国側だけな気もする。

 

 

 

ことの発端となったのも米国側の措置だ。

 

 

 

実際、2月に米国が「中国政府の宣伝機関」として認定した中国メディアの報道というのは、実際のところどうなのだろうか。

 

 

 

以下は国営新華社通信の日本語版サイトだ。

Xinhua - jp.xinhuanet.com

 

 

明朝体で、どことなく北朝鮮感が出ているのはさておき、中国のニュース、しかも良いニュースがたしかに目立つ印象だ。

 

 

 

しかし、これだけでは中国政府の宣伝機関なのかどうかはわからないが、少しの間、報道内容を覗いてみてもいいかもしれない。

 

 

 

さて肝心の報復合戦の方はというと、順番で行くと次は米国側が反撃をする番だ。

 

 

 

さすがに記者証を無効にするとか、批判している中国と同じことはしないと思うし、コロナ関連でこれ以上不毛で根拠のない罵り合いをするとも考え難い。

 

 

 

まあ報復合戦がメディア分野にだけに限定されているうちはそんなに問題ないのかもしれないが、これが安全保障や経済分野(こちらは元からだが)に波及するようなことがあれば、新たな冷戦幕開けの日も近いのかもしれない。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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