Unsocial Hours

諜報員の日々のつぶやき

米TV「中国はコロナの責任とって謝れ」

 

お疲れ様です、かるなです。

 

 

タイトルは3月2日放送の米FOXニュースの中で、司会者のJesse Watters氏が述べた言葉。 

 

 

 

「中国に対して、ただ正式に謝罪してほしい、それだけです」

 

 

「新型コロナは中国発祥だというのに、これまで中国から一言も謝罪の言葉を頂いてないんですよ。単純に『悪かった』、その一言で済む話です」

 

 

「中国からの正式な謝罪が、明日、もらえると信じてます。習近平氏からでも大使館からでも構いません。今ここに座っているコメンテーターの方々とともに、正式な謝罪を要求します」

 

 

「どうしてウイルスが中国発祥かと問われれば、生のコウモリやヘビを食用に売り買いするような市場があるからでしょう」

 

 

「いや真剣な話、中国人は非常に飢えた人々ですよ。中国共産党の政府は、人々に食糧すら与えることができていない。結果、国民は食に飢え、食べ物は調理されずに出回っている。非常に危険ですよ。だからこそ専門家は、コロナは中国から来たと言っている」

 

 

ニューヨーク・タイムズによれば、中国政府は、ウイルスの蔓延の度合いについて嘘の情報を流し、われわれを騙そうしている」

 

 

「ですから先ほども申し上げた通り、私は、明日、中国から謝罪があると信じてます

 

 

 

 

これを文面で読んだとき、本当にこんなことをテレビの司会者が公共放送で言えたのか疑った。

 

 

あれだけ表面的には人種差別がどうの、LGBTがどうの、宗教がどうの、とか言っている国で、こんな明らかな差別的な内容を、しかも科学的根拠もなしに発言するなんて。

 

 

 

 

 

とかいう真面目な感情をほんの少しだけ抱きつつ、実際の映像を見てみると、意外と面白い。笑

Fox News Host Jesse Watters Claims Chinese People Eating ‘Raw Bats’ to Blame for Coronavirus

 

 

最初はトランプ大統領のこれまでの対応は正しいとか言っていたところで、突然、「中国から謝罪をもらってない」と言い始め、周りのコメンテーターも困惑。

 

 

「ここに座っているコメンテーターの方々と一緒になって」、という部分については周りのコメンテーターも苦笑している。

 

 

何より面白いのは、この司会者があまりにもガチなトーンで言っているところ。笑

 

 

周りのコメンテーターの笑いも内容について笑っているというよりは、「お前、突然どうした?」という点がおかしい様子。

 

 

この発言を行ったJesse Wattersという司会者は、米国内でもなかなか有名な政治司会者のようで、Wikiもあった。

https://en.wikipedia.org/wiki/Jesse_Watters#Controversies

 

 

 

 

そして案の定、過去にも問題発言をしていた。

 

 

 

地球温暖化・環境問題について)

「環境変動なんて日焼けローションで対応できる。大した問題じゃあない」

 

 

(トランプの移民政策で移民の親子が引き離される状況について)

「一部の人から見れば、移民の親子を一緒にいさせるより、(別々にする方が)よっぽど思いやりのある政策ですよ」

 

 

ヒラリー・クリントン民主党大統領候補の選挙マネージャーのメールがロシアにハッキングされ、メールが流出した際)

「彼がハッカーにパスワードを渡したんですよ、その時のパスワードなんだと思います?『パスワード』ですよ、いやほんとの話。彼のパスワードは、『パスワード』」

(後日、事実無根であることが発覚)

 

 

(9.11同時多発テロの12周年記念日で国内のテロに関して尋ねられ)

「(テロを行うのは)必ずといってイスラム教徒ですよ」

 

 

 

まあそもそもこの方が出ているこのFOXニュースというメディア媒体自体が、共和党保守寄りの偏向メディアとして名高い時点で、それの司会者を務めている人物が公平な主張をしていたら視聴率も取れないだろう。

アメリカ人が考える、最も偏向した/公平なニュースメディア・ランキング | Business Insider Japan

 

 

 

今回、この話題を取り上げようと思ったのは、このFOXの問題発言を見たからというわけではなく、ワシントン・ポストで珍しく愛国心溢れる記事が見受けられたからだ。

https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/conspiracy-theorists-blame-the-us-for-coronavirus-china-is-happy-to-encourage-them/2020/03/05/50875458-5dc8-11ea-ac50-18701e14e06d_story.html

 

 

 

『米国は、新型コロナがもたらす死の真のスケールを隠し続けている』

 

 

『米国は、ウイルス対策について中国を見習うべきだ』

 

 

『新型コロナは米国発祥』

 

 

そして、世界に危機をもたらしたことについて中国を責めるものは誰もいなくなった。

 

 

ようこそ、今週の中国版インターネットの世界へ

 

 

 

中国のソーシャルメディアや国営メディアでは、新型コロナに関する反米国主義的な主張が勢いを増している。

 

国営メディアや政府関係者がソーシャルメディアや検閲、疑念を煽り、今度はその煽られたソーシャルメディア、検閲、疑念が再び事実無根の政府関係者の発言を煽ることで、勢いを強めている」

 

 

これらはワシントンポストの記事の冒頭パラグラフの一部分だ。

 

 

同紙によると、現在中国政府が統制する中国国内のネット上で、言われのない根拠に基づく反米論調が強まっているようで、それについて怒りを示すものだ。

 

 

記事の中では、コロナの発祥地が中国以外である可能性を示唆した中国のウイルス対策専門家、鍾南山(Zhong Nanshan)氏の発言についても言及している

中国「新型コロナは中国由来のウイルスではない」 - Unsocial Hours

 

 

またそれに関する趙立堅副報道局長の定例記者会見を引き合いに出し、

https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1752172.shtml

 

 

「趙報道官は、鍾南山の見解を用いて、新型コロナが中国発祥ではないことを断定した」

 

 

と述べているが、これは少し事実とは異なる気がする。

 

 

たしかに趙報道官は4日の記者会見でこの件について言及したが、あくまでそれは新型コロナウイルスが巷で「武漢ウイルス」「中国肺炎」などと呼ばれていることについて、必ずしもウイルスが中国発祥であるという事実はないと述べただけで、別にどこか他の国発祥だとは述べていない

 

 

むしろ報道官は、この現象は世界的な現象であり、どこの国が発祥とかは関係ない、今は世界全体で一致団結すべきだ、と当たり障りない回答をしている。

 

 

それを、中国はウイルスが自国発祥じゃないと断定した、と捉えるのはいささか攻撃的すぎやしないか。

 

 

これに追い討ちをかけるようにポンペオ国務長官は中国の情報提供不足を理由に「武漢ウイルス」と公に呼び、物議を醸している。

 

 

 

もちろん皆、個人レベルではウイルス発生が最初に確認されたのは武漢だし、これについて何らかの補償とか謝罪とか中国からないのか、とか思ったこともあるかもしれないが、根拠がないし、それを表立って口にしたり、公に謝罪を要求したりするのは確実にご法度だと思う。

 

 

もちろんFOXの司会者も、中国の専門家がウイルスは中国発祥じゃないかもしれない、なんて言ったのを皮切りにコロナは米国発祥、みたいな根も歯もない噂が中国内で話題になっているのを目にして、腹を立て、あのような発言に至ったのかもしれない。

 

 

しかし、現在の状況を鑑みれば、趙報道官の言うとおり、ウイルスの発祥がどこかなんて実務的にはどうでもいいのだ(ネット世論的には重要かもしれないが)。

 

 

このような些細な出来事がきっかけで各国の国民感情が損なわれていくのはどこか悲しい。

 

 

それをより体現する例が、昨今の日韓の亀裂だ。

 

 

日本が中韓からの渡航者に隔離措置を発表したら、やりすぎだと反論し、インドがやったように日本人のビザを停止した。

 

 

正直、韓国政府は、日本の対応がやりすぎだったことに怒っているのではなく、事前の相談なしにやったとか、外交慣例に問題があったことに怒っているんだと信じたい(外交慣例的にも問題なかったのかわもしれないが)。

 

 

これについては、既にネット上で目が痛くなるほど意見の応酬を見ているのであえて言及する気はないが、ウイルス対策が政治問題に発展することは非常に悲しい。

 

 

ただより悲しいのは、あの常にどんぱちやってる中東でさえ、国境封鎖やフライトの運行停止などを毎日のように繰り広げているが、これまでそれらのウイルス対策が原因で政治問題などは一切発生していない

 

 

 

米中にしろ日韓にしろ、互いの世論や対策が原因で政治的な関係が損なわれれば、今後ワクチンなどが開発されたりした際、○○の国にはあげない、みたいな低レベルな論争が生じる恐れもある。

 

 

ウイルス対策が政治問題に発展しないよう各国政府には細心の注意を払って外交に取り組んで欲しい。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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